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校長のことば
校長 小島 克也

平成30年度、第30代校長として着任いたしました。

 我が国は、グローバル化の進展や過去に経験のない生産年齢人口の減少、あるいは絶え間ない技術革新等、激しい社会変化の真っただ中にいます。このような予測不可能な難しい時代において、いや、難しい時代であるからこそ、浦高は、これまで1世紀以上にわたって続けてきた浦高教育の真髄である全人教育をこれからも自信を持って貫いてまいります。

 浦高生は、校訓である「尚文昌武」(文を尊び武を盛んにする)の理念のもと、勉強、学校行事、部活動の3つを「少なくとも三兎を追え」をモットーに、徹底してやり抜きます。挫折することも多々あります。壁にぶち当たったり、深みにはまって身動きが取れなくなったりすれば、みんなで助け合います。その過程を通じてタフで優しい人間に育っていきます。

 生徒には、「世界のどこかを支える人間になれ」と言っています。その言葉通り、これまで浦高教育のもとで、様々な分野で世界をリードする多くの人材を輩出してまいりました。浦高生は、世界で活躍する先輩に続けとばかりに、日々「無理難題に挑戦」し、成長しております。

教育の王道を歩みながらも、常に進化し続ける浦高へのご支援ご協力をよろしくお願いいたします。

 ■尚文昌武(文を尊び武を盛んにする)

 ■少なくとも三兎を追え

 ■世界のどこかを支える人間になれ

 ■無理難題に挑戦しろ


 

 
校長講話
校長講話 >> 記事詳細

2018/12/22

校長講話 二学期終業式

| by 管理者

「グローバル人材の育成について」

 浦和高校は、今力を入れている教育の一つに、グローバル人材の育成がある。まず、私自身の中で決めている「グローバル人材」の定義は、「世界の人たちと一緒になって、地球規模の課題の解決に貢献できる人」というもの。絶対の定義ではないが、とりあえず、ここでは、この定義で話を進めていく。

 さて、まず最初に、最近の浦和高校におけるグローバル人材育成の取り組みについてまとめてみたい。

 今から23年前、浦高100周年に合わせて、イギリスのウィットギフト校と姉妹校提携を結んで、それ以来、浦和高校におけるグローバル人材の育成が本格化。

 ウィットギフトに2年間留学した生徒は、そのままイギリスのオックスフォードやケンブリッジをはじめ、ロンドン大学、セントアンドリューズ大学といったそうそうたるトップ大学に進学して、そのままイギリスで就職して海外に住み続けている人もいれば、日本に戻って外資系の企業で活躍している人もいる。彼らは、そのうち浦高生のロールモデルとして麗和セミナーに呼ばれることになるだろう。

 また、国からは、5年前にスーパーグローバルハイスクール、いわゆるSGHに指定。このSGHを通じて、浦高のグローバル人材育成は大きな成果を遂げている。

 一つ目の成果は、海外派遣プログラムの充実。この5年間でいくつもプログラムが立ち上がって、浦高生が海外で研修を積む機会も多くなった。SGH前は20数名だった海外派遣が、昨年度は、約60名と倍以上に増えている。

 二つ目の成果は、アドグルの充実。

 アドグルがなぜ、グローバル人材育成につながるのか?先ほどの私のグローバル人材の定義として「地球規模の課題の解決に貢献できる人」と言った。民族紛争、環境破壊、貿易摩擦、貧困問題等々、世界の課題は山積している。地球の未来のためにもこの課題に、世界が一緒になって一つ一つ取り組まなければならない。このことを考えれば、グローバルで活躍する人というのは、「問題解決能力」を持っていることが必須だと思う。一方、アドグルの方針は、「世の中の問題点を自分で見つけて、自分なりの解決策を考える。」というもの。 アドグルとグローバル人材とは、正にこの「問題解決」というキーワードで共通している。皆さんは、アドグルの実践を通して、グローバル人材の土台を作っているわけ。だから、浦高がSGH認定を受けるにあたって、アドグルが大変評価された。ですから、いろいろなアドグルで、例えば作家であったり、医師とか能楽師といった普段呼べない人たちを呼んで、講義をしていただいているが、あの人たちの謝金は、すべてSGH予算から出ている。

 SGHは今年で終了する。先日ある生徒から、「SGHが終わって浦高どうなるんですか?」という質問を受けた。その生徒は、海外志向を持っているらしい。私はSGHが終わっても、海外に多くの生徒を派遣するとか、アドグルを応援するという流れを何とか維持向上させたいと思う。

 SGH以外では、海外派遣のような大きな取組ではないが、グローバル人材育成への機運を高めるような、小さいけれども意味のある取組もある。

 例えば、A棟とB棟をつなぐ2階の東側通路に、大きな掲示板ができたのに気が付いた人はいるでしょうか。掲示板の愛称を「雄飛ボード」としているが、国際交流関係の情報を一元的に掲示するために新しく設置したもの。ちなみに、その掲示板は、3年生との面談の中で、ある生徒が、浦高は、SGHの指定校の割には、グローバル教育に関する掲示が貧弱だ、と私に指摘したことがきっかけ。素晴らしいところに気が付く生徒がいるもんだ、感心する。わたしは「その通りだ」と思い、早速職員会議で提案して設置した。海外を目指したい生徒にとって有益な情報が「雄飛ボード」上で提供されているので通りかかった際にはぜひ見てください。

 それから、ご存知の通り、私は、簡単なあいさつ程度は、すべて英語で行っているが、これも、少しでも多くの浦高生が、みんなの前で、思い切って英語で話すモチベーションになってもらえればという気持ちで、ジャパニーズイングリッシュ丸出しで恥ずかしいが、冷や汗かきながらやっている。英語が使える日本人はたくさんいるが、そういう人たちがよく言うのは、「英語は度胸だ」ということ。「英語は度胸だ」を私自身、身をもって実践している。

だから、この間、ウィットギフトが来た時、ここで歓迎セレモニーがあったが、生徒会長の塚越君が、とても頑張って、長い英語をしゃべっていたのを見てとてもうれしく思った。

 グローバル人材の育成は、何をやれば十分ということはないけれども、意欲のある生徒には、できるだけメニューを提供できるようにしたいと、これからもあの手この手でやっていこうと思う。

 次に、グローバル社会で活躍する人材になるためには、どんな資質を高めればいいのかという話をしたい。

 話せばたくさんあるが、今日はそのうち3つだけ話す。

 一つ目は、「タフネス」。これは、肉体、精神、知性いずれにもおけるタフネスである。文化も価値観も違う世界の人を相手に仕事をするのであるから、日本人だけで仕事をする以上に、困難な仕事になるのは当然のこと。その困難な仕事から決して逃げずに、最後までその仕事をやり抜くタフネスさは、グローバル社会を生きるうえで、最も必要な資質ではないだろうか。大変なことのように聞こえるが、この肉体、精神、知性のタフネスさは、浦高生の最も得意とするところであると思う。肉体にしても、精神にしても、知性にしても、どれだけ理不尽な浦高の教育に君たち耐えてきたことか。3年生にもなれば、この理不尽さを快感にさえ感じている人も中にはいるんではないか?それこそ浦高魂だ。

 グローバル人材に必要な資質二つ目。

 「問題解決能力」これはさっきアドグルのところでいった通り。この問題解決能力も、浦高の3年間でかなりの素養が身につけられていると考える。問題解決能力の基本は、何事も自分で考えるということ。この自分で考えるということは浦高の教育が日ごろ大切にしていること。アドグルだけでなく、日頃の授業の中で、単なる暗記ではなく、話し合って、調べたりして、自分で考えて解を見出すという学びを行っている。このような学びは、君たちに問題解決能力を身につけさせるばかりでなく、困難なことに対してもあきらめない心を育てることにつながっていると考える。

 最後、3つ目は、語学力。外国語は、グローバル社会で生きるための必需品。野球でいえば、ボールとバットだと考えればわかりやすい。外国語は、まずは英語ということ。海外で仕事をするようになれば現地語も含まれるが、それは将来の話。君たちの将来の仕事の拠点が、国内であろうと国外であろうと、仕事分野が、営利企業であろうが学問分野であろうが、将来、英語が使えないと困ることになるのは明白。道を聞いたり食事を注文したりぐらいは今はスマホに言わせることはできるが、まだスマホで議論はできない。文系理系関係なく、しっかり英語を勉強しよう。英語は浦高生の弱点という話も先生方から聞いている。英語は訓練すればだれでも上達する。一言だけアドバイスすれば、英語学習の基本の「き」は、語彙、文法、音読の3つ。英語が嫌いな人にはつらいが・・。野球でいえば、素振りとランニングだから。でも、これさえさぼらなければ、読み、書き、聞く、話すどれも右肩曲線で伸びていくのは間違いない。ご参考までに。

 今日は、グローバル人材の育成をテーマに話をしたが、まとめると、一つ目は、グローバル社会への対応は、浦高でも大切な分野だと思っていて、これからも推進していくということ。二つ目は、グローバル社会で活躍するための資質として3つ話した。一つは、「タフネス」二つめは、「問題解決能力」三つめは「語学力」という話をした。皆さんは、大学を卒業したら、仕事の拠点が国内・国外に限らず、否応なしにグローバル社会に足を踏み込むことになる。皆さんが、海外の人と堂々と渡り合える人材に育ってほしいと思っている。


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